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理事長挨拶
理事長挨拶
今回の全国大会の統一論題「地方と地域&地方と中央」の設定は、地方という概念がご都合的に使用されていることへの批判を行うことである。それは、この地方という概念は2通りの解釈ができることと、これがふるさとと一体的に使用されるからである。そして、このような代替性の背景には、政治家、とりわけ人口の少ない地方に関係のある政治家等の有力者の間で利益誘導的に使用されていることがある。
そこで、このような傾向に対して批判的な視点を保持することが、今後の我が国の国家政策やこれに影響を受ける地域デザインに対する我々の立ち位置を明確にするためには避けられないと判断した。我々は地域デザインの研究をフィールドにしているのだから、まずもって地方と地域の差異についての理解とこれらに対する注意が不可欠になる。
今回の報告においてはそのような視点からのものはあまりないようであるが、そのためにも筆者においては自身の報告などで、このような状況への批判的な行動を展開することが課題になっている。そこで、今回の全国大会が、筆者がオフィシャルに地方主義者の批判を行う場になるわけである。
また、今回の全国大会は、コロナ禍後ようやく完全なリアルでの開催ができることになった最初の大会になるが、そこで筆者が考えたのは、本学会では原則としてすべてのイベントをリアルでの開催とし、集うことが第一義的な意味をもつという立場を明確に表現することが重要だということである。ハイブリッド形式は、あまり真剣に取り組まない人が多く関与することで、組織の脆弱化が進展してしまうという欠点がある。
すでに,4月以降の各種の研究会やフォーラムはリアルでの開催となっているが、これは学会を閉じたものにしようということではなく、真剣に取り組む人だけで学会運営を行おうとしていることを社会に対して発信するためである。このような考え方に対して一定の評価がなされたことは、例年通りでのプログラムが構成できたことからもご理解いただけるであろう。
このようなリアルで意識の高い全国大会が行われることになったのだが、会場を快く提供してくださった東海大学に対して、また実行委員のメンバーに対して、まずは感謝の意を表すことにしたい。また、会員においては、リアルに先進する本学会の仲間を増やすことに動いていただけるよう期待している。
2024年7月吉日
理事長 原田 保
