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理事長挨拶

理事長挨拶

 今回の全国大会は,設立10年を迎えての大会である。これまでの活動の整理を行いながら、今後の修正や対応を行うことが課題になっている。そのため,本大会においては,あらためて理論研究を核に据えた優れた研究活動を展開することの重要性を確認し,これを踏まえた事例研究を指向することが大事であると考え,統一論題を「地域デザイン現場の進化と深化」とさせていただいた。つまり,本学会は理論研究を重視する研究者のための学会であることを示すことが大事な目的になっている。

 このような理由から,午後の部には,研究委員会セッション,編集委員会セッション,研究フォーラムセッションおよび地域部会セッションを設けた。午前の部の研究発表公募セッションにおいても,単なる事例報告や意見の表明から事例を含めて研究指向を強めていくことが期待される。今回は,このような考え方を踏まえてプログラムを組んだが,現実にはそのような段階には至ってはいないものもあるかもしれない。それゆえ,この課題は来年以降に持ち越されることになるが,そのためにも会員の研鑽や協力が欠かせないことは言うまでもない。

 さて,本大会も新型コロナウイルス感染症対策としてハイブリッドでの開催になったが,これにより開催の多様性の確保をすることができた。イベント運営や研究の新たな可能性が見えてきたことは,非常にありがたい経験となっている。このような禍が生じないと,コンテクスト転換やパラダイムシフトはなかなか実現できないのだから,禍を前向きにとらえることが大事であることをハイブリットでの全国大会の開催が教えてくれることになった。

 このような課題を抱える全国大会であるが,これに積極的に関与した会員や登壇される会員においては,ここでの報告を研究成果として積極的に活動していただきたい。また,地域デザインのさらなる発展に向けて,多様なネットワークの形成や研究組織の構築が期待される。なお,研究成果は,本学会に限らず,多様なメディアで展開されることも期待している。

 昨年度の引き続き,本大会も(株)博展本社において対面およびオンライン形式(ハイブリッド形式)での開催をさせていただくことになった。会場の確保においては,本学会会員である(株)博展の鈴木紳介氏のお力添えに大いに感謝の意を表したい。

 

2021年7月吉日

本学会理事長 原田 保

 

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